●ある逢魔の手記より〜Prologue〜
――人は意思と思考する頭脳を持つ個体である故に
総べからず高知能の生物も一つに纏まりはしない――――
神魔戦線が終局を見せたのは2004年6月でした。
しかし、札幌神殿で力を蓄えたフィリポと、廃墟と化した東京で神帝を名乗ったマティアによる統治が宣言されたのです。
それでも私達は、きっと魔皇様達と停戦条約を結んだプリンシュパリティ達と共に、平和への階段を登れると信じていました。それに、ユディットさんだって、魔皇様達と自衛隊の皆さんで、札幌神殿のフィリポと戦って、きっと勝ってくれるでしょうから。
しかし‥‥あれは2005年でした。
突如として、各地にテンプルムが出現したのです。そう、2003年に初めて出現した時と同じように‥‥。私達は出現したテンプルムを第2次侵略部隊と名付け、テンプルムと新たなエンジェル達に戦いを挑みました。
戦うしかないじゃないですか? 今まで戦って、やっと共存への一歩を踏み出せるかもしれないというのに、また人間は無気力と化し、地上にファンタズマとグレゴールが溢れたのですから‥‥。
勿論、プリンシュパリティ達も戸惑いながらも説得と戦いを繰り広げてくれました。
――繰り返される歴史‥‥。戦いの歴史‥‥。
戦う力と知識は、歴史の如く積み重ねられていきます。
次第に追い込まれて行く魔皇様達。
憤りの中、デアボライズする魔皇様達。
圧倒的な力を解放するアクスディア。
次々と地上に落下するテンプルムの破壊力‥‥。
フィリポを倒し、マティア神帝は日本から離脱しました。
日本の壊滅的打撃という代償を残して‥‥。
――それでも生きていれば、新たな道は切り開ける。
予てから研究されていたテンプルムの感情搾取代用エネルギーの模索は、インファントテンプルムに属する『エンジェル人類従族派』による協力を得て、ミチザネ機関の元で開発に成功しました。
2007年。現在『新東京』と呼ばれる関東地域は、神魔人が共存する区画を確立する事となり、共存への第一歩を歩み始めようとしています。
――しかし、私達のやるべき事は沢山残っています。
各地に分散した野良サーバントの駆除。
テロリスト魔皇様や神帝軍残存の取り締まり。
行方不明になった司様やプリンシュパリティの捜索。
そして、来るべくマティア神帝の侵攻への対応。
――より良き世界とは、どんな世界なのでしょう?
私は魔皇様と共に、答えを探したいと思います――――
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